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   更新:2006/12/15
 在日外国人の地方参政権と住民投票
在日外国人の地方参政権と住民投票
榎 まきこ

 1995年、金正圭(キム・チョンギュ)さんらの地方選挙権を求める訴訟(大阪府在住の在日韓国人11人が地方参政権を求めて起こす)に対する最高裁判決で、「永住者等」の地方参政権を憲法が禁止していない旨が言及されました。これにより、憲法を改正しなくても法改正により在日外国人の地方参政権が認められることになりました。現在、在日外国人の地方参政権を求める組織、団体が各地に存在します。しかし、実際には様々な問題や反対意見があり、簡単には実現できません。

 私は卒業論文作成にあたって、この在日外国人の地方参政権問題をテーマに選びました。もともと、国際関係や国際社会、人種問題に関心があり、その中でもこの問題はこれからの日本社会の国際化のあり方を決める重要なものだと感じたからです。在日韓国・朝鮮人や出稼ぎ労働者、国際結婚により定住した人など多くの定住外国人が日本にいます。これは日本の国際化に伴うもので、その数はますます増えていくでしょう。定住外国人に地方参政権を認めるかどうかは、定住外国人と共に社会を作っていくのか、それとも日本の社会なのだから日本人のみで作っていくのか、といったこれからの方針を決める重要なテーマだと思います。

そして、私は文献等で基礎知識を得た段階で、地域のことはその地域に住む人々が決定していくべきであるし、この‘地域に住む人’の中に定住外国人も含まれるべきだと思いました。(前述の最高裁判決で憲法93条2項の「住民」は「国民」以外の定住外国人を含まない、とする一方、「永住者等」の地方参政権を憲法が禁止していない、としています。)国際化が進んでいく中で地域に住む定住外国人の意見を無視することは逆に難しくなってくると思います。

 さて、実際に現在の状況等を調べていくと、全国約200の地方議会で在日外国人の参政権を求める意見書や要望書、請願が採択されるなどの動きがあるが、まだまだ地方参政権付与には時間がかかることがわかりました。他方、市町村合併等に対する住民投票を行う際に在日外国人にも投票を認める自治体が増えてきていることを知りました。地方参政権と住民投票とでは性質が違いますが、私は、多くの自治体で在日外国人の住民投票権が認められることで、やがては地方参政権付与につながっていくのではないかと思い、この住民投票に関して掘り下げて調べることにしました。

 在日外国人に投票権を与える住民投票条例を制定した自治体の正確な数、内訳を知るために総務省に問い合わせたところ、平成15年4月現在全国27団体(7市、17町、3村)との回答を得ることができました。しかし、総務省では詳しい統計は取っておらず、全て新聞記事からの情報であり、詳しい内訳は把握していないとのことでした。そのため、インターネットや新聞記事をあたることにしました。下記に挙げるのが、今現在私が把握している自治体です。

自治体 施行年月日 条件※1  
秋田県 岩城町 H14,9,1 満18歳以上 合併問題
埼玉県 蓮田市     合併問題、「意向市民調査」
  岩槻市   満18歳以上 合併問題
富山県 小杉町   満18歳以上   〃
長野県 富士見町   満18歳以上   〃
  平谷村   中学生以上   〃
静岡県 東伊豆町   満18歳以上   〃
岐阜県 北方町   満18歳以上   〃
愛知県 高浜市   満18歳以上 市政運営上の重要事項、常設
三重県 名張市   満20歳以上 合併問題
福井県 鯖江市   満20歳以上   〃
  松岡町   満20歳以上   〃
滋賀県 米原町 H14,9,1 満20歳以上   〃
  長浜市   満18歳以上   〃
大阪府 高石市   満20歳以上   〃
岡山県 加茂町       〃
  奈義町   満20歳以上   〃
  哲西町   満18歳以上   〃
  北房町   満20歳以上   〃
広島県 大竹市   満18歳以上   〃
高知県 葉山村       〃
大分県 弥生町       〃
  久住町       〃
福岡県 北野町   満18歳以上   〃
佐賀県 三瀬村       〃
平成15年4月28日現在
※1 全ての条例に三ヶ月以上継続在住の条件あり。
※2 空欄は現在調査中。

今後、これらの自治体の詳しいいきさつ、現況、条例案を否決した自治体などについて調べ、在日外国人の地方参政権と住民投票について考えて行く予定です。上記表では私の調べが不十分なため、見落としている自治体があるかもしれません。また、誤った情報を記載している可能性もあります。何か情報をお持ちの方や意見をお持ちの方がいらっしゃいましたら、連絡いただければ幸いです。


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