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   更新:2006/12/15
 国民投票を知る
 ◆日本における「憲法改正の国民投票制度」
 参考:「憲法改正の手続きに関する国民の理解度」調査
 ◆この選挙は“国民投票”だったのか
※この記事は旧「真っ当な国民投票のルールを作る会」のHPに掲載されたものです。
日本における「憲法改正の国民投票制度」

 何もかもを「衆議院の多数派が」決めてしまうわが国の政治の中で、一人ひとりの国民が直接的に「事柄」を決定する権利を握っていることがある。それも、私たちにとって最も重要な課題についてだ。それは何か、「日本国憲法の改正」に関する決定権である。

■ 日本で憲法改正国民投票が実施されるまでの流れ ■
■ 日本で憲法改正国民投票が実施されるまでの流れ ■

第9章 改正
〔憲法改正の発議、国民投票及び公布〕
第96条 この憲法の改正は、各議院の総議員の3分の2以上の賛成で、国会が、これを発議し、国民に提案してその承認を経なければならない。この承認には、特別の国民投票又は国会の定める選挙の際行はれる投票において、その過半数の賛成を必要とする。
 2 憲法改正について前項の承認を経たときは、天皇は、国民の名で、この憲法と一体を成すものとして、直ちにこれを公布する。

 ところが、ほとんどの国民はこの「憲法改正の手続き」について正しく理解していない。『「憲法九条」国民投票』(今井 一著・集英社新書)によると、03年の夏、東京・大阪の数カ所の街頭において、憲法改正手続きについて有権者がどういった理解をしているのかを確かめるための調査を行なった結果、有効回答200人のうち、憲法改正手続きについて「知っている」と答えたのは67人(33.5%)だけ。その67人のうち本当に知っていたのはわずか15人。つまり全体の7.5%しかおらず、92.5%(185人)は「憲法改正の手続き」について知らなかったということだ。

 では、どんなふうに誤った理解をしているのか。憲法改正は「多数の国会議員が賛成したらできる」、「内閣総理大臣が決めたらできる」と思い込んでいる人がほとんどで、中には裁判所が決めると答えた人もいた。言うまでもなく、衆参「各議院の総議員の3分の2以上の賛成」があってできるのは、憲法改正の国会発議(=国民への提案)まで。改正は、その是非を問う国民投票を実施し主権者の承認を得なければ成立しない。

あまりに低い理解。なぜなのだろう。一度も実施したことがないということが最大の要因ではあるが、憲法改正の最終決定権が議会や内閣にあるのではなく一人ひとりの国民が握っているという制度的事実についてきちんと取り上げ解説しない新聞やテレビなどメディアの姿勢にも大きな問題がある。

参考:「憲法改正の手続きに関する国民の理解度」調査


  本会は「憲法改正の手続きに関する国民の理解度」を把握すべく、05年10月3日〜12日の10日間、札幌、千葉、東京、大阪、福岡など全国15自治体の街頭ほかで、対面聴き取り調査を行いました。
  前回の調査も含めて、グラフ化したものを掲載します。

■ 憲法改正の手続きに関する国民の理解度 ■
■ 憲法改正の手続きに関する国民の理解度 ■
(クリックすると拡大表示されます)
この選挙は“国民投票”だったのか


  総選挙(※2005年9月のいわゆる「郵政選挙」)が終わりました。結果について、本会があれこれ論評することは控えますが、指摘し、批判しておかなければならないことがあります。それは、今回の総選挙があたかも「国民投票」であるかのように流布した与党とメディアの罪です。
 与党の首脳が「今度の選挙は有権者に郵政改革の是非を問う国民投票だ」と言えば、マスメディアも「国民投票的な選挙」と「的」付きとはいえ、これまた「国民投票」という表現を多用しました。
 与党首脳がこの選挙を「国民投票」と表現したのは思惑があってのこと。しかし、ジャーナリストや専門家は、こうした歪曲・すり替えを見過ごすことなく指摘し、今回の総選挙は「国民投票」でも「国民投票的」でもないという理論的な解説をしなければなりません。
 新聞やテレビにおいて、今回そうした指摘をした人は皆無だったのではないでしょうか。
 そこで、あらためて「国民投票」とは何かを、ここで解説することにしました。

 今回の衆議院議員選挙もそうですが、通常の選挙というのは、有権者の投票で国会議員や自治体の議員、首長を選びます。これに対して、国民投票あるいは住民投票というのは、一つの事柄・案件に関して、その賛否や最も適切だと思われる案を有権者自身の直接投票で決めることを言います。
 簡単に言えば、自分に代わって事柄を決める人を選ぶのが選挙で、有権者自身が直接事柄を決めるのが国民投票・住民投票です。

 では、私たちは今回「郵政民営化」あるいは与党の「郵政民営化のための法案」の是非について、議員という代理人を通さず直接決定したでしょうか?答はNOですね。法案の是非は、まもなく開かれる特別国会で議員が決定します。決定権は議員にあって、私たちはその決定権を有する議員を選ぶことしかできません。つまり、今回の総選挙はごく普通の選挙であって、国民投票あるいはそれに類するものなどではありません。

 フランスでは、本年5月に「EU憲法の批准を認める法案」の是非について国民投票が実施されました。国会議員の8割以上がこの法案の採択に賛成しているにもかかわらず、シラク大統領は国民投票での「最終決着」を提案しました。賛否両派の激しいキャンペーン合戦により、投票率は69.7%の高率に達し、結果は、[55対45]で反対派が勝利をおさめました。フランス国民は、この国民投票で自ら直接、「法案の是非」の決定にかかわったのです。決して、是非を決める議員を選んだのではありません。これが本当の国民投票です。
 8割以上の議員が「EU憲法の批准を認める法案」に賛成していたのに、反対派が勝利したということは、国会議員選挙では与党候補に投票しているのに、この国民投票では野党である共産党などが呼びかけた「反対」に投票した有権者がかなりいたということです。投票が、必ずしも支持政党、支持議員の姿勢と一致するとは限らない。これが国民投票の大きな特徴といえます。

 選挙中、『朝日新聞』の「声」欄に「郵政民営化には賛成だけど、イラク派兵や9条改正には反対。私はどこに投票すればいいの」という主旨の読者の投稿が載っていましたが、もし今回、小泉首相が衆議院を解散させることなく「郵政民営化」の是非を問う国民投票を実施していたら、この投稿者は国民投票では自民党が呼びかける「賛成」に投票し、後に行われる選挙では「9条護憲」の共産党か社民党に投票するという意思表示ができました。それが今回「事実上の国民投票」などという事実のすり替えにより、例えばイラク派兵や靖国参拝で小泉首相・自民党と意見を異にする有権者の相当数が「郵政民営化」の一点で賛同して、小泉・自民党に投票しました。これでは民意が正確に反映されません。それが問題だと考えます。
 「郵政民営化」あるいはそのための法案の是非を国民投票にかけるということについて私は反対しません。ただし、「国民投票擬き」ではだめ。やるのなら紛い物ではなく本当の国民投票をやらなければならない。

 わが国では憲法改正を果たすには、必ず国民投票を実施して多数を得なければならない規定(96条)になっていますが、憲法改正以外の案件については、国民投票を実施できるか否かも含め一切明記されていません。しかし、投票が国会の決定に先立ってその参考のために行われるものであり、投票結果が国会や内閣・政府の決定および行動を無条件に拘束しないものであれば、現行憲法下でも、例えば「年金一元化」の是非や「自衛隊のイラク派遣」の是非など、さまざまな国民投票を実施することができます。これを「諮問型国民投票」あるいは「助言型国民投票」と呼んでいます。「郵政民営化」もこれで決着を付けるべきだったと私は考えます。
 なお、諸外国では憲法にかかわることのみならず、重要政策についても国民投票で決めている国があります。また、国民の発議権を認めている国も少なくありません。

 ◆日本における「憲法改正の国民投票制度」
 参考:「憲法改正の手続きに関する国民の理解度」調査
 ◆この選挙は“国民投票”だったのか
※この記事は旧「真っ当な国民投票のルールを作る会」のホームページに掲載されたものです。
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