|
◆なぜ住民投票の実施を求めたのか
07年3月の四街道市議会において、私たちがその建設の必要性に疑問を抱く「地域交流センター」の建設費を含む予算案が可決承認されました。
もはや議会でこの計画を止めることは不可能と思われ、直接請求による住民投票によってしか建設を阻止する有効な手段は無いと考えました。
しかし、市議会の結果を見て直ちに市民が活動を開始したわけではありません。先ず市民ネットが、昨年9月に実施したほぼ全世帯を対象にしたアンケート調査によって(3万枚配布)、97%の市民が同センターの建設に反対していることを確認したのでした。
[※注 回答数668通(ファックス・郵送178通、HPへのアクセス490通)]
次いで、市民ネットが今年5月から同センター建設の白紙撤回を求める署名集めを実施し、最終的に2916筆の署名を集めたのです。(7月30日に市長に提出)
人手不足のため、集め得た署名数はさほど多いとは言えませんが、その過程で圧倒的多数の市民が「税金の無駄遣い」「優先順位が違う」と考えていることが推測できたのです。同じ頃、予算案に反対した市議たちも同様の感触を得ていました。予算に賛成した市議の中から、凍結すべきだとする議員も現れたのです。
そして、これらの市議たちが、何としても中止すべきだとの決意を次第に固め、遂に、7月に党派を超えた統一行動を起こしたのです。行動に踏み切らせた最大の要因は市民ネットの代理人清水真奈美の熱意であったと私は見ています。
◆住民投票条例が制定されるまでの経過
前述のような流れを受けて市議たちが組織づくりを開始し、以下の段取りについて分担を決めました。9人の市議のほかに、もう一人頼り甲斐のある支援者がいました。元市の職員で市民派の県議です。事務所の使用や街頭演説などあらゆる面で力強いバックアップをしてくれたのです。
- 請求代表者の決定・・・・・・7月16日
- 総務課・選挙管理委員会との打ち合わせ・・・・以下の手続きについて細部確認
- 請求書提出・請求代表者証明書交付申請・・・7月31日または8月1日
- 署名収集委任者名簿の提出・・・・随時追加可
- 署名簿の作成・配布
表紙・請求書・請求代表者証明書・署名収集委任状・署名用紙のセットを大量につくり、7月中に受任者に渡す
- 住民投票条例案・チラシ・ニュースなど各種印刷物の作成
- 署名期間中の広報活動
- 署名簿の提出・・・・・・・・・9月3日
請求代表者として当初9名の名前が上がりましたが、辞退の申し出があったり、関係書類のちょっとした訂正にも請求代表者の押印が要る事務上の煩瑣を少しでも削減するために請求代表者は5名と決めました。
8月1日からの1ヶ月間の署名収集期間は、各地で観測史上の新記録が続出した猛暑が続いた上、お盆休みや夏休みの旅行などで留守の家が多いという困難の連続。約240人の署名収集受任者のご苦労ご努力は大変なものでした。
そのお陰で10,210人もの署名が集まったのです(署名簿にして1,015冊)。7月現在の有権者数(71,029人)の50分の1=1,421人はおろか目標の5千人をもはるかに超えるこの数字に、市民の意思の強さをまざまざと感じました。
その後のことを時系列で並べますと以下のとおりです。
| 9月3日 |
選挙管理委員会に署名簿提出 |
| 9月25日 |
選挙管理委員会の審査終了
有効署名数 9,142人=有権者総数の約13%と確定(無効1,068人) |
| 10月2日 |
名簿の縦覧終了。異議申し立てなし |
| 10月5日 |
請求代表者全員揃って市長に対し、「四街道市における地域交流センター建設の賛否を問う住民投票条例」の制定を本請求。 |
| 10月19日 |
臨時市議会開催。市長が「住民投票条例の制定について」と題した議案を提出し、反対意見を表明。 |
| 10月22日 |
教育民生特別委員会で審議。請求代表者2名が参考人として出席。賛成多数で議決。 |
| 10月25日 |
本会議開催。請求代表者3名が意見陳述。12:9で原案可決。 |
春の予算審議のときの賛否と正反対の数字で条例制定が可決されたのです。
この間に建設反対派の市議1人が思わぬ事件で辞職。それ以降、採決前日まで条例可決の見通しについて極めて不安な状態が続きました。市議たちへの懸命な説得工作や予算に賛成した何人かの市議とそれぞれの後援会の人たちとの話し合いなどが行なわれた模様ですが、私は詳細を知りません。
決定的だったのはやはり反対する市民の多さと計画の不合理性であったと思っています。
そして12月9日が投票日と決まりました。定例議会開催中という奇妙な日取りの設定ですが、年度内着工から逆算した入札日の直前であることがその事情を物語っていると思います。
投票日前日までの広報・宣伝活動も大変なものでしたが省略させていただきます。
投票結果は、[反対25,384、賛成7,962]でした。翌10日、市長は計画断念を市議会本会議の冒頭で表明しました。
◆投票結果をどう考えるか
「四街道市民は凄い結果を出した(しかも圧倒的多数をもって)」の一語に尽きます。
敢えて付け加えるならば、良識の勝利と言うようなおとなしい言い方では物足りず、市長(行政)に対する怒りが含まれていたと私は感じたことを申し添えたいと思います。
今回の投票は、一つのハコモノ建設の是非に止まるものではなく、市民のための市政を要求するか、行政(お上)任せの市政に甘んじるかの選択であったのです。その観点から、前者を選んだ市民の選択は、市民自治に希望が持てる出来事であったと思います。
私の周囲には投票率47.55%を十分に高いとする人が多かったです。それが現実論なのでしょうが、市民自治がホンモノになるためには、こんなものでは極めて不十分だと私は考えます。まだまだ道遠しの感を否めません。
|